半導体不足や海外製バッテリーの不具合などの影響により、現在国産モバイルバッテリーが入手難しい状況にあります。この厳しい背景を踏まえて、キヤノンEOS R5に給電・充電に対応する国産のカメラ用モバイルバッテリーを紹介したいと思います。
ミラーレスカメラのバッテリーの持ちが悪いことは、多くのユーザーにとって共通の課題です。ミラーレスカメラはコンパクトで軽量なデザインが特長ですが、その代償としてバッテリー寿命が制約されています。長時間のスタジオ撮影や動画撮影などでは替えのバッテリーを何個も携帯しなければ不安になることもあり、撮影時に多くのバッテリーを持ち歩くことは負担にしかなりません。そもそも、ミラーレスカメラのバッテリー消費が大きいのは高解像度センサーや電子ビューファインダー、デジタル機能の使用によるもので、使い勝手を向上させる一方でバッテリーの消耗を増加させています。ミラーレスカメラユーザーは通常、余分なバッテリーを携帯し、バッテリーの交換や充電を頻繁に行う必要があります。この課題を克服するために、バッテリーの持ちを向上させるための技術やモバイルバッテリーの使用が重要となります
充電と給電の違いを理解しよう
- 充電(Charging): 充電は一般的に、バッテリーが電力を蓄えるプロセスを指します。バッテリー自体を充電することで、そのバッテリー内に電力を蓄え、後でデバイスの起動などに使用します。バッテリーがコンセントなどからの電源やUSBポートから電力を受け取り、内部のバッテリーを充電することで、外部デバイスに電力を供給する準備を整えます。充電は、バッテリーを長時間使用可能にするために行われます。
- 給電(Powering): 給電は、内部バッテリーやモバイルバッテリーなどからデバイスに電力を供給する行為を指します。充電されたモバイルバッテリーからデバイスに電力を供給し、デバイスのバッテリーを充電したり、動作させたりするプロセスも給電にあたります。モバイルバッテリーがデバイスに接続されており、デバイスが電力を必要とすると、モバイルバッテリーはその電力を提供します。給電は、外出先でデバイスを充電しながら給電するために非常に便利です。
要するに、充電はモバッテリー自体に電力を供給し、給電はモバイルバッテリーなどからデバイスに電力を供給することを指します。
給電するにはモバイルバッテリーがPD対応であること
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Power Delivery(通常、PDと略されます)は、USB規格の一つで、USB Type-Cコネクタを介して高速かつ効率的な電力供給を可能にする技術です。通常のUSB規格では、最大5ボルトの電力供給が行われていますが、Power Deliveryはこの制限を拡張し、最大100ワット以上の電力供給が可能です。以下はPower Deliveryの主な特徴と利点です:
- 高出力電力: Power Deliveryは、USB Type-Cコネクタを介して高出力電力を供給できます。これにより、急速充電や高性能デバイス(例:ノートパソコン、タブレット、スマートフォン)の充電に適しています。
- 双方向通信: Power Deliveryは電源供給装置(例:充電器)と受信デバイス(例:スマートフォン、ノートパソコン)の間で双方向通信を可能にします。これにより、デバイスと充電器が最適な電力供給を調整できます。
- スマートな電力管理: Power Deliveryは電力要求を自動的に調整し、デバイスに必要な電力を供給します。これにより、デバイスのバッテリーを効率的に充電でき、過充電や過熱を防ぎます。
- ユニバーサルな互換性: Power DeliveryはUSB Type-Cコネクタを採用しており、多くのデバイスがこれをサポートしています。このため、さまざまなデバイスに対応する充電器やアダプタを共通で使用できます。
- 複数の用途: Power Deliveryは充電だけでなく、データ転送やビデオ出力など、さまざまな用途に使用できるため、USB Type-Cポートを備えたデバイスで幅広い機能を実現できます。
Power Deliveryは、急速充電技術やUSB Type-Cコネクタの普及とともに、モバイルデバイスやパーソナルコンピュータの充電エコシステムにおいて重要な役割を果たしています。
【要注意】全てのPD対応モバイルバッテリーが給電対応出来るわけではない
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キヤノンEOS R5に適したモバイルバッテリーを選ぶ際、USB Power Delivery(USB PD)に対応していることは非常に重要です。ただし、それだけでなく、バッテリーの出力が30W以上の製品を選ぶことが必要となります。また、仕様表や製品を確認する際に、9V 3Aに対応していることを確認することで、互換性と性能に安心感を持つことができます。一つ注意すべきポイントは、モバイルバッテリーが複数の端子を備えている場合です。複数の機器に同時に給電したい場合、各端子の出力が分配され、出力が低下する可能性があります。そのため、複数のデバイスを同時に給電したい場合、モバイルバッテリーの定格出力もチェックしましょう。これにより、期待通りに複数のデバイスを効率的に給電できるかどうかを確認できます。USB Power Deliveryに対応し、30W以上の出力を持つ9V 3Aに対応のモバイルバッテリーを選び、同時に複数のデバイスを充電する際にも出力の適切な分配が行えるかを確認しましょう。
EOS-R5に充電・給電できる国産のモバイルバッテリー
キャノンが対応バッテリーとして公表しているのはAnker PowerCore III Elite 25600 60Wですが、およそ11,000円程度で販売されていたのですが、その人気と半導体などにより新品を購入することは難しい状態が続いております。私も追加で購入しようと思いましたが買えませんでした。
そこで、上記規格をクリアーしている国産モバイルバッテリーを探したところCIO(大阪の会社)のSMARTCOBY Pro 30Wが該当したので早速購入しました。
バッテリー駆動時 右下の残量が明るい白表示
PD給電時 右下の残量が暗いグレーに表示される
SMARTCOBY Pro 30Wは、なんと!!5,000円台で購入出来て、容量10,000mAhと小型ながら9V 3Aに対応しており、画像でも給電が可能であることがわかります。しかも、バッテリー本体に残量が一目でわかる液晶表示が付いているなどの親切設計となっています。
サイズ「約77×56×26mm」重さは183gです。
SMARTCOBY PRO モバイルバッテリー タイプC USB PD 30W 小型 充電器 軽量 iphone パソコン10000mAh 急速充電 パススルー CIO ポータブル充電器 iPad Macbook iPhone13 pro max mini今回はミラーレスカメラに欠かせないモバイルバッテリーについてのご紹介をさせていただきましたが、今後も便利な撮影アイテムなどがあれば記事にしていきたいと思います。